最終試験くじら

(画像は初回版のものです、たぶん)





製作会社:サーカス(サーカスチーム)

原画:秋蕎麦 かゆらゆか かどつかさ

シナリオ:釧路洋 愛羽 鷹取兵馬




  立ち絵:★★★★★
  
イベントCG:★★★★★

  シナリオ:★★★☆☆ 

    音楽:★★★★★

  システム:★★☆☆☆
(少々システム回りが悪いですね)
     
攻略可能人数:7人




サーカスが2004年の暮れに出した作品ですね、当初は一部のサーカスファンのみが騒ぎ
世のヲタクの方々は「今回のは微妙らしい」と、どこの情報ソースだか未だに解明されていない噂を信じ
発売一ヶ月前辺りまではややシカトを受けていたのもまた事実、だがいざ発売が迫るといつの間にか
「今回の作品はD.C.に継ぐ名作になるかもしれない」というまたまた謎の噂の出現により期待上昇、
なんだか売れてんだか売れてないんだか分からない作品、というイメージを抹茶に植えつけました。


結果、過剰に期待して購入したユーザーからの猛烈な非難と冷静さを欠いたクソミソな評価により
「くじらは地雷でありなかったことにしなくてはならない」的なノリが某掲示板を中心に世の中に染み渡りました。

実際は過剰に期待しすぎた反動なんですが、この作品
総合的に見ても決して駄作というほど酷くありません、言うなれば


凡作

たしかにシナリオは中途半端な感じを受ける部分は多々ありますが元々の素材、つまり

空に浮かぶくじら・丘にいるくじらの少女・過去のであった数人の少女・どこか懐かしい風景
空を飛ぶ少女・ムスカ・軍隊・最終試験

等のキーワード、これらを生かしきれてないうちにシナリオが終わってしまう感じですかね。
キャラの個性もD.C.にはさすがに劣りますがしっかりしており個人的には満足しています。
ただ「サーカスならもっとやれたはず」と思うのは抹茶も同じ。
単純に時間がなかったのかもしれないですね。




シナリオはこんな感じです



旅芸人の一座の息子で、女形として活躍する主人公・久遠寺睦。
旅芸人である彼はこけら落としの舞台のために招かれた山陰地方のとある田舎町にやってきた
その町はなんと、くじらが空に浮かぶ不可思議な世界だった。
主人公は、まるで運命の歯車に仕組まれるかのように「最終試験」を受けることになる。
どこか不思議で、そして切ない、それは遠い過去の記憶。
くじらが浮かぶ世界の中で織り成される物語。
果たして主人公が見出した「結末」とは・・・





流れとしては7月6日〜7月17日の間にルート選択、
つまり必死こいてお目当てのおにゃのこのご機嫌取りをするわけです。
そこから先は個別のルートに行く訳ですが最終的には全シナリオ通してある結論にたどり着きます。
つまりあるキャラのシナリオ以外はある意味伏線、そのキャラはメインキャラ全員攻略後に攻略可能となります。
くじらはルートに入ってからの攻略は(一部を除き)楽ですが、入るまでが苦労したり(主に春香)

さて今回は各シナリオ評価とキャラ紹介を同時進行でいきたいと思います。







久遠寺 睦

本編の主人公、久遠寺一座で女形(女装して舞台にでる人)をしている、芸名は睦姫。
手から和菓子は出せません。コレといった能力もなし、一般的に言う凡人。
だがね、義妹がいる時点でもう君は一般人ではないよ。







くじらの少女

全編通して出てくるくじらのキーパーソン、いつもくじらの丘と呼ばれる場所で
ゆらゆら揺れている、人の話を聞いているんだか聞いていないんだか分からない反応萌え。








金井 誠一郎

その昔ハンニバルと呼ばれていた男(自称)
普通の悪友キャラ、801の属性があるのかないのか微妙な立ち振る舞い。
その制服がどうなっているのか気になる。






榛原 胡桃ルート


くじらの中で多分一番インパクトがあると思うルート、言うなれば

サーカス版ラピュタ

セリフ回しまで一緒な所がツボでした






榛原 胡桃

メガネ、明るく人懐こく世話焼き、総称して鬱陶しい人
かつて父が写真に写らないはずのくじらを写真に収め(ラピュタ参照)
その後失踪。実は胡桃自身は本編にはいらないのでは?という意見も主に抹茶を中心として出ている。







皆川(ムスカ)

見た瞬間から悪役と分かるこの小役人チックな風貌によりくじらキャラの人気投票で
抹茶的には350位台に食い込んだキャラ、笑うときに「フハハハハ」と言う
見た目も心も見事な悪人っぷりを披露したムスカさん。夢は「世界の支配者」
今時小学生でも言いませんよそんなこと。↓なんてまんまラピュタにあったセリフだし











渋い







ゆん

金髪ツインテールキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
しかし攻略不可、サーカスにちょっぴり恨みの念を送っちゃいました。
全編出てくるキャラなのに何故このシナリオなのかは自分で確かめましょう
主人公達の同級生、積極的で大胆な性格。いいとこもって行きます。





胡桃ルートは「くじら」の秘密に迫るシナリオですね、
一体くじらとは何なのか(ラピュタです)を胡桃とかと探っていくうちに
不穏な動きをする黒服の男たち(ムスカとその手下です)と接触。
果たしてくじらには何があるのか、くじらの少女との関係はなんなのか?
そんな感じです、しかしこのシナリオで分かるのはくじらのほんの一面
まだまだくじらには秘密があるようです。
それはまた別のお話(森本レオ風)





御影 仁菜ルート


くじらの中で一番萌えて一番萎えた非常に重いルートです、鬱に注意・・・。
キャラはマジで萌えますがそのギャップが

痛々しい(´・ω・`)
やるときは気を引き締めていきまっしょい






御影 仁菜

主人公の先輩、だが身長が低いことから後輩と間違われてショボーンなことに
趣味は料理、すっぱいもの大好きらしく料理に酸味を加える癖がある、
特技は空を飛ぶこと、しかし自由意志で飛べるのは1mが限界らしく
むしろ「飛ぶ」より「浮く」に近いと推測、まぁ見た目がフワフワしてますし。
性格は見たまんまの特別天然記念物、抹茶のツボに直撃。
何故メイド服?と、突っ込む人には風情が足りません。
いいじゃないですか似合ってるんだから。



さて、この仁菜シナリオですが冒頭で述べたとおりキャラ萌えで手を出すと
えらい目にあいます、さらにエンディング数が他のキャラと比べて多いため全シナリオコンプ結構面倒
ここは素直に攻略サイトに頼るのがベターです、トゥルーエンドのラストはとてもいいんですが

なんだかはぐらかされた

と、思ってしまうのは何でだろう。


シナリオの内容「くじらの秘密解明その2」です。
それと同時に仁菜先輩に隠された秘密と過去が明らかになります。
出来れば聞きたくなかった・・・
しかしこのシナリオを終わらせなければくじらの本質には近づけません、頑張りましょう。
シナリオ全体のクオリティーはくじらの中では1位2位を争うほど高い、ですが如何せん内容が重いんで
人それぞれで評価も変わってくるはず、「鬱だろうが萌えだろうが何でも来やがれ」っていう方なら高評価の予感。







茂木 美佳&優佳ルート


もはや姉妹の話は人数あわせですと言われても信じてしまいそうなほどくじらに関係ないシナリオ(爆
面倒なので一纏めにしちゃいましたが大して問題ないでしょう(ぇ
しかしD.C.からの伝統なのか


姉妹のシナリオに身が入ってないという罠






茂木 美佳

茂木姉妹双子の妹で主人公の先輩、名家の育ちではあるがその立ち振る舞いはお嬢様というより将軍様
初登場からいきなり主人公を殴りつけたナイスガイ、見たまんまの攻撃的性格。
たまたま主人公の舞台を見て睦姫の女っぽさに一目ぼれ、いや変な意味じゃなくてね?
その後殴った相手がその人物だと知って「やっちまった」的心境に突入。
正直な話、最終試験くじらという作品から隔離されてる気がしないでもない。






茂木 優佳

茂木姉妹双子の姉、おっとりのようでおっとりではない、ちょっとズレた感じの人
典型的な令嬢といった感じ、年上のお姉さんスマイルから滲み出てくるその余裕はやがて主人公を惑わせる(はず)
最初は妹の不利をしたりして主人公で遊んでいたが徐々に本気になっていく。
シナリオは紙一重でくじらに噛んでくる人物(ただし美佳シナリオのみで)





両シナリオとも大きな進展や事件があるわけではありません、日常+1歩ぐらい?(分かり難い例えだな)
かといって内容がないわけでは・・・あぁ、いい例えが見つかりました。



サ○エさん的ノリ?





ほのぼのと楽しむべきかと






夢前 春香ルート


お待たせしました、義妹です、にぃさまです。ヒャッホウ!!
構造がやや分かり難いかもしれないですね、
実は結構重要なシナリオです、微妙な描写を見逃さないようにしましょう。





夢前 春香

主人公の義理の妹で久遠寺一座のメイクと衣装担当、体が弱くやや引き篭もり気味、あまり劇には出ないが
いつかあこがれの主人公と出たいと思っている、お兄ちゃん大好きっ子だがいままではなかなか積極的に
なれずにいた、が数々のライバル出現により急加速、もう恋する乙女は止まれない。
何かの拍子に絶妙に可愛くないぬいぐるみを出してしまう能力を持っているが
本人曰く「水っぽい鼻水のようなもの」つまり自分じゃどうしようもできず勝手に出てくるらしい、何かイヤ・・・
また極度に慌てると言葉遣いがおかしくなる、抹茶のお気に入りはコレ↓







彼女がナニを言わんとしていたのか、それは本編をやってのお楽しみです。



春香シナリオは春香を含めた全キャラ攻略後に攻略可能となる南雲さえルートへの伏線となります。
ラストは「雪蝉」という舞台で主人公と春香が共演することになります。
デモムービーで度々流れた有名な雪の中で抱き合うシーンがあるやつですね
シナリオの完成度は非常に高いと思います、無理なく終わったというかなんと言うか・
さて、春香の後はいよいよくじらの肝である南雲さえルートです。






南雲 さえルート


最終試験くじらの真相解明辺
くじらの少女・空に浮かぶくじら・そして舞台となっている街の秘密
その全てが明かされます。





南雲 さえ

転校生、長い間病院にいたらしい、くじらの少女に似ているが
触覚の有無によって見分けることが出来る。
明るく人懐っこくやや子供っぽいところがある
時々言動におかしい所があるが「最終試験くじら-Progressive-」をプレイした方はその理由も分かるはず
あんまり色々書くとうっかりネタバレしそうなんでこの辺で。



で、シナリオについてですが



春香を代表としたその他のキャラの扱いが酷すぎる



もうまるっきり無視かよ!!みたいな。
とにかくさえ一本で搾っていくつもりみたいですね、
ですが結果的には謎の解明とさえのストーリーを強引に進めちゃってる感じがして
どちら側も慌しいまま終わっちゃった印象がありますね。
どちらかというと謎解きの方を優先してます。

オチは個人的には満足いってますね、「ああ、なるほど」といえるレベル
内容に無理はないです。
このシナリオについては自分の目で確かめてくださいとしか書きようがない・・・



ちなみにこのシナリオのあと隠しキャラとして
神楽 香倶那が攻略可能になりますが
これは完全におまけシナリオですんであえて書きません、「奴」はオススメキャラですが。






全体の評価



最初に書いたとおり地雷ではないかと、ただ
「サーカスにこういった作品もある」程度の印象を残す作品
凡作と良作のちょうど中間あたりだと抹茶は最初考えていたんですが
今回レビューを書くに当たってまた一通り流してやってみましたがやるたびに味が出ていく様な気がします
一回やってからまた間を置いてやってみると新たな発見があるかも。
キャラは文句なしに萌えます、特に仁菜とムスカが







最終試験くじらのオススメ度




★★★★☆



色々考えた末一度はやるべきかと










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